ストレスが及ぼす「血行不良」が薄毛の原因に

なぜストレスが薄毛の原因になるのか?それは私たちの身体の仕組みと関係があります。

人はストレスを受けると、自律神経に影響が及びます。自律神経は、活動しているときに積極的に働く「交感神経」と、寝ている時やリラックスしている時に働く「副交感神経」にわけられ、通常はこの2つの神経がバランス良く働いています。しかし、慢性的にストレスを受けると、このバランスが崩れてしまうのです。

バランスが崩れると、血管が収縮し、血液が全身に十分に行き渡らない血行不良に陥ります。身体に血液が行き渡らなければ、身体の維持や成長に必要な栄養も行き渡りません。特に、脳や臓器に血が回らなければ、生命存続の危機にさらされてしまいます。

身体は血液がそうした重要な部位に優先的に回るよう働きますから、命の存続とは関係のない頭皮まではなかなか栄養が行き渡らなくなってしまうのです。すると、結果的に髪の成長に必要な栄養や細胞が足りなくなり、抜け毛が増え、薄毛になってしまう。

これが、ストレスが薄毛に影響していると考えられるメカニズムです。

運動で血行と幸せホルモンの分泌を促進!

血行不良を解消し、薄毛を解消するために何をしたら良いのか。

まずオススメしたいのが「運動」です。運動して筋肉を動かすことで、血行を促進することができます。それだけでなく、運動そのものにストレス解消効果があることもわかっています。

運動には、「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニン、エンドルフィンといった脳内伝達物質の分泌を促進する効果があります。これらの物質は、嫌な気持ちをコントロールし、気分を安定させ、幸せな気持ちにさせてくれる効果があると言われているのです。

今まで運動不足だった…という方はこれを機に定期的に運動してみましょう。激しい運動ではなく、毎日の生活で積極的に歩くことを意識して、いつもより30分長く歩いてみる、それだけでも良いのです。

睡眠不足を解消して髪の毛の成長を助ける

「ストレスがたまって、ぐっすり眠ることができない…」。睡眠不足も自律神経のバランスを乱し、血行を悪くする一因となります。また、人の細胞が一番成長するのは眠っている間で、特にゴールデンタイムと呼ばれる22:00〜02:00の間は最も細胞の働きが活発になる時間といわれています。

この時間に質の良い睡眠がとれないと、髪の毛を成長させるための細胞の働きが鈍くなり、結果的に薄毛に繋がる可能性があります。可能な限り、夜は早く眠るよう心がけてみてください。

入浴で適度に身体を温めリラックス

入浴して適度に身体を温めることも、血行を促進してくれます。男性は特にシャワーで済ませがちという方も多いと思いますが、お風呂に入ってほっと一息つく時間が、ストレスを忘れさせてくれるリラックスタイムになるかもしれません。ぜひゆっくりとお湯につかってみてください。

また、あわせてシャンプー時に頭皮をマッサージするのも効果的です。頭皮をさわってみて固くなっている方は特に頭皮の血行が滞り、凝り固まっている証拠。適度に頭皮を刺激し、柔らかくすることで薄毛予防が期待出来ますよ。

バランスの良い食事で頭皮に栄養を行き渡らせる

バランスの良い食生活
身体も、髪の毛も、当然食べたものから作られます。せっかく血行を促進することができても、きちんと栄養を摂取しなければ頭皮に回す栄養がなくなってしまいます。栄養不足は髪の毛を細く弱くし、抜け毛を増やす原因になります。

また、暴飲暴食をしたり、糖質や脂質に偏った食生活にならないよう、バランスの良い食事を心がけて、しっかりと栄養をとるようにしましょう。

好きなことをする時間をきちんと確保する

血行促進とは関係がありませんが、ストレス解消のために好きなことを思いっきりやってみましょう。

日々、忙しくてそれどころじゃないという方も多いかもしれませんが、適度な休息は絶対に必要です。

一度立ち止まって、自分が好きなことはなんだろう?と考えてみてください。思いつかない方は、子どもの頃に好きだったことを思い出してみると何か手がかりが見つかるかもしれません。

それも難しい方は、1日に10分でも良いのでリラックスできる時間をとるのも効果的です。「その日のストレスをその日のうちに解消」というのが理想ですが、実際はなかなか難しいものです。しかし、自分がリラックスできる時間を一日の中に少しでもとるのととらないのでは、ストレスの蓄積具合に大きく差が出てきます。

楽しい気分や、ワクワクする気持ち、リラックスできる時間はストレスを解消するために何よりも必要です。意識して自分のための時間をとるようにしてください。

ストレスを取り除きながら、生活習慣の改善をすることで薄毛の予防や改善が期待出来ます。意識しすぎるのもかえって負担になってしまいますから、焦らず、諦めず、できることからひとつひとつ生活の中に取り入れていきましょう。